掃除が終わらなくて気ばかり焦る。俺の掃除はもうほぼ終わっているのだが、俺の部屋に母のものが所狭しと置かれている上、クローゼットが全く整理されていないのでいつまで経ってもものを移し替えることができない。来週には人が来る予定だしなんとかしてほしい。

昼にお腹を押すと喋るぬいぐるみを整理した。かの人との思い出の品はどうしてもまだ捨てる気になれないが、来るべきときがきたらお別れしようと決め、匣に入れて丁重にしまいこんだ。
指輪などの身に付ける品は以前からとっくにしまってあるが、それでも今でも二心があることには変わりない。思い出を引きずったまま他の人に靡く心の弱さを受け入れられる人がどのくらいいるだろう。自分は自分がそうだから他人に対しては許してやりたいと思うが、きっとそれはお互いの心の有り様に無理をして成り立つことだ。いつかは永訣を迎えなければならない。そうしてこそやっと、自分は意志を表明する権利を得ることができるように思う。
明日は新宿に向かう。